車の修理
イグニッションコイルの交換が必要な車の4つの特徴と交換方法を紹介
きのうまで何の問題も無く調子よく走れたのに、突然愛車のエンジンが震えだしてアクセルを踏んでも加速しなくなると物凄く驚きますよね。特にエンジンの振動は車内にダイレクトに伝わってきますので、より不安が増してしまいます。
実はこの症状、車購入から10年を経過するような古い車に割とよく出る症状なんです。その原因の多くはイグニッションコイルの故障によるものです。
そこで今回はこのイグニッションコイル故障の症状や原因、修理方法は費用について解説します。
イグニッションコイルの交換が必要な車の特徴
イグニッションコイルは、点火プラグに高圧の電気を送る電装部品です。
これが壊れると、点火プラグが作動しないので、そのシリンダーでは燃焼が起こらずそのシリンダーの動作がストップします。
これによりエンジンが持つ本来の正常な回転が行われなくなり、車には次のような症状が現れます。
- アクセルを踏んでもスピードがなかなか出ない
- エンジンがかからない
- アイドリング中にエンジンが止まる
- エンジンの警告灯が点灯、または点滅している
これらの症状について、詳しく解説します。
アクセルを踏んでもスピードがなかなか出ない
イグニッションコイルが故障すると、アクセルを踏んでもなかなかスピードが出ません。
これは、一つのシリンダーが休止してエンジンが正常に回転していませんので、本来の正常なエンジンパワーも出力されない状態であることが原因です。
これによって、今まで乗っていた感覚でアクセルを踏み込んでも、全くと言っていいほど車が「加速」しなくなります。この状態である場合は、早急にイグニッションコイルの交換が必要です。
エンジンがなかなかかからない
イグニッションコイルが故障していると、エンジンが「ガガガ」と鳴りながらかかりにくい状態にです。
これは、一つのシリンダーが休止している事によって、本来よりもエンジンの始動にかかる負荷が大きくことが原因です。
これにより、セルモーターで何気なく行っているエンジンの始動にも影響が出て、エンジンのかかりの悪さが際立ってきます。
アイドリング中にエンジンが止まる
イグニッションコイルが故障すると、信号待ちや休憩中によるアイドリング中に、エンジンが停止してしまいます。
エンジン回転に大きな負荷が発生しているため、普通のエンジン回転が維持できなくなり、アイドリング中にエンジンストップを起こしてしまうのです。
エンジンの気筒数にもよりますが、2つ目のシリンダーも休止してしまうと、低回転のアイドリングはほぼ維持できないと言えます。
エンジンの警告灯が点灯、または点滅している
車種によっては、イグニッションコイルの故障が原因で、エンジン警告灯が点灯・点滅します。
エンジン警告灯自体は、エンジンに異常が発生した場合に点灯や点滅しますので、その際には診断機を車に繋ぎ何が原因でエンジンの警告灯が点灯・点滅している理由を確認しましょう。
イグニッションコイルが原因の場合は、エンジン警告灯が点灯するだけでなく、エンジン周りの音や動きに異常がでます。
点灯・点滅してからすぐに状況が悪化するわけではありませんが、走行中は車を止めてお近くのでディーラー、整備工場に相談しましょう。
イグニッションコイルの交換費用は5万円~10万円
イグニッションコイルは低い電圧を高い電圧に変えてくれる電装品のため、交換費用は5万円から10万円を超えてしまいます。
車種によってもエンジンルームが部品で密集しており、イグニッションコイルの交換工賃が非常に高額なものもあります。
値段が異なる理由としては、エンジンの気筒数により変動します。
エンジンの1気筒毎に1つのイグニッションコイルがありますが、軽自動車なら3気筒3つのイグニッションコイルがあり、高級車であれば8気筒8つのイグニッションコイルを必要とします。
イグニッションコイルは気筒毎に各々独立していますが、1つのイグニッションコイルが故障すれば、もちろん同じだけ動作していた他のイグニッションコイルも同じように順番に故障していきます。
そのため、1つのイグニッションコイルが故障すれば、全てのイグニッションコイルの取り替えが基本となります。
これにより、3気筒の軽自動車であれば交換費用は5万円前後、気筒数の多い高級車であれば10万円を超えてしまう場合もあります。
イグニッションコイルの交換方法
イグニッションコイルは車の整備に詳しい方であれば、ご自身で交換かすることも可能です。
しかし、大体の方が整備に詳しくない方が多いはずですので、初心者の方であれば修理業者に依頼した方がいいでしょう。
以下では、自力で交換する方と、修理業者に依頼する方に分けてその方法を詳しく説明します。
車に詳しいならイグニッションコイルだけ購入して自力で交換
自動車のヘッドライトやワイパーゴムを自分で交換するように、実はイグニッションコイルも自分で交換出来ます。
交換には特殊工具が必要ありませんので、エンジンルーム内のどの部分にイグニッションコイルがあるかさえ分かれば簡単に出来てしまいます。
エンジンルーム内が機器で密集していない軽自動車は交換の難易度は低く、逆にエンジンルーム内が機器で密集している高級車は取り外す部品が多くなる為その難易度が跳ね上がります。
新しいイグニッションコイルは、インターネットの通販サイトで簡単に購入出来ます。
純正品であれば1つ10,000円前後となかなか高価ですが、社外品であれば数本セットで5,000円前後で購入できるものもあります。
社外品は安価で購入でき、動作にも支障がありませんが、純正品にくらべて耐用年数が短いです。
最も安価にイグニッションコイルを交換する方法は、インターネットで社外品を購入して自分で交換する方法だと言えます。
初心者はイグニッションコイルの交換を修理業者に依頼した方が安心
自力でイグニッションコイルを交換する自信のない方は、修理業者を利用します。
自力で行う場合は、工賃がかからないことも魅力ですが、エンジン付近を触ることになるので万が一、他の部分を故障させてしまっては大変です。
以下では、イグニッションコイルの修理を依頼できる業者を2つご紹介するので、参考にしてください。
新車ディーラー
新車購入して自動車に乗っている方の多くは、修理や車検を新車ディーラーに依頼しているのではないでしょうか。
イグニッションコイルの交換を新車ディーラーに依頼すれば、純正部品を使って交換してもらえます。
車種により交換工賃は異なりますが、概ね1つ3,000円から5,000円程度となります。純正品での交換となる分、交換費用はかさみます。
中古車販売店・修理工場
中古車を購入して乗っている方は、購入した中古車ショップやなじみのある自動車修理工場に修理や車検を依頼される方が多いかもしれません。
こういった工場は、純正品のイグニッションコイルだけではなく、社外品のイグニッションコイルの取扱もありますので、出来るだけ安価で修理を依頼したい場合は、社外品での交換を依頼しましょう。
交換工賃は新車ディーラーとほぼ同程度だと言えます。
イグニッションコイルの交換時期は10年・10万kmに1回
電装品であるイグニッションコイルは、エンジンを回転させればそれだけ劣化が進みます。また、年式が古くなればそれだけで経年劣化も起こしていきます。
この為、多くの車種ではイグニッションコイルの交換の目安が新車から10年経過、又は10万km走行となっています。
ただ、イグニッションコイルの交換は高額になることも多いので、車を購入してから経過している年数によっては対処方法が異なります。その点について、以下で詳しく解説します。
購入してから10年以内の車は交換
10万km以上走行してイグニッションコイル不良が起こっても、新車から10年を経過していない比較的新しい自動車であれば、イグニッションコイルの交換がオススメです。
その理由としては、シンプルに走行距離に応じてイグニッションコイルが故障しているだけなので、エンジン自体に問題はほとんどないと考えられる為です。
また年式が新しければ、他の電装系部品の故障リスクはまだまだ低い為、イグニッションコイルを交換して乗り継いだ方がコストがかかりませんし、メリットは大きいです。
10年以上経っている車は買い替えも検討する
もしイグニッションコイルが故障した車が、購入から10年を経過している古い自動車であれば、高い修理代を払って交換するよりも修理せずに乗り換える事がベストです。
新車から10年を経過した自動車は、多くの消耗部品の交換時期を迎え格段に故障リスクが上がります。そうなると、イグニッションコイルを数万円で交換しても、エンジン部分の故障などにより、更に数十万円での修理費がかさんでしまう可能性もあるのです。
10万キロ走行で交換が必要となる部品については、以下の記事で紹介しています。
関連記事:10万キロを超えた車の交換部品はどれ?費用や交換すべきかを判断する基準を解説
また日本の自動車税制では、新車から13年を経過した自動車には税率が重課されますので、それだけで税額が増えてしまいます。
自動車は、古くなればなるほど車両を維持するメンテナンス費用も税額もアップしてしまう訳です。
ですので、購入から10年以上立っている車の場合は買い替えも視野に入れておきましょう。今では古い車でも、業者に廃車を依頼すれば自動車税の還付や廃車買取の費用ももらえる可能性もあります。
廃車本舗では、不動車や事故車など「もう動かなくなってしまった車」でも廃車買取しておりますので、買い替えを検討される方はご相談ください。
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イグニッションコイルの交換が必要になった場合の注意点
実際にイグニッションコイルが故障による症状が出た場合、どのような点に気を付けた方がいいのでしょうか?ここでは具体的にその注意点を考えていきます。
異常のあるイグニッションコイルをそのままにしない
異常のあるイグニッションコイルをそのまま放置しても、人間の体のように自然に故障が直る事は決してありません。
1つのイグニッションコイルが停止しているだけならば、エンジン出力が落ち加速力が極端に低くなりますが、走行する事は可能です。
ただし、これを放置してそのまま走行し続け、2つ目のイグニッションコイルが故障すると、更にエンジン出力が低下しアイドリングもままならなくなります。
さらにこの症状を放置すると、本来エンジンのシリンダー内で燃焼するはずの燃料が燃焼せずにそのままマフラーに流れ込み、その燃料がマフラー内で燃焼し、マフラーが焼き付いてしまうのです。
こうなってしまうとマフラーの交換が必要になりますので、更に高額な修理費用が必要となりますので、異常のあるイグニッションコイルは早急に交換しましょう。
イグニッションコイルは全て交換する
イグニッションコイルが一つでも故障した場合は、1つだけでなく全て気筒を交換しましょう。
イグニッションコイルはエンジンの気筒毎に同じものが付いています。3気筒エンジンであれば、3つのイグニッションコイルが付いており、6~8気筒エンジンであればそれと同様のイグニッションコイルが付いています。
この内の一つが故障した場合、基本的には同時に全てのイグニッションコイルを交換しましょう。
理由としては、まだ故障していない他のイグニッションコイルも、故障したイグニッションコイルと全く同じように消耗して劣化していますので、かなり高い確率で順番に故障していくからです。
問題のある部分を直しても、別のイグニッションコイルが故障してしまえば再度交換が必要になります。
そうなると費用や効果に際してかかる時間も有するわけですから、1つだけではなく、全てのイグニッションコイルを交換するようにしましょう。
車種に合わせたイグニッションコイルを選ぶ
イグニッションコイルの交換は、車種に合わせたものを選ぶ必要があります。
特に自分でイグニッションコイルを交換する場合は、車種に合ったイグニッションコイルを選ぶことが必要です。
エンジンによってイグニッションコイルは形状も異なりますので、不適合のイグニッションコイルでは交換する事が出来ません。
車検証に記載されている「年式」や「型式」や「エンジン型式」「類別区分番号」等でしっかりと適合部品を確認し、間違えないように部品選びを行って下さい。
イグニッションコイルと同時期にスパークプラグの交換も忘れない
イグニッションコイルとスパークプラグが故障した場合、同じ症状が出ますので、イグニッションコイルを交換する場合は同時にスパークプラグの交換もオススメです。
スパークプラグは、エンジンを起こす為に必要な火花を飛ばして部分になりますが、イグニッションコイルが故障すると、スパークプラグの火花が飛ばせなくなり、その結果シリンダーが休止します。
逆に、イグニッションコイルに問題はなくともスパークプラグが故障すると、これまた火花が飛ばせなくなり、エンジンを起動させることはできません。
スパークプラグは20,000km毎の交換が推奨されており、1本1,000円前後と安価でインターネットで購入できます。
一度スパークプラグの交換時期も確認し、イグニッションコイルと同時に交換しておきましょう。
イグニッションコイルの異変に気づいたら車の状態に合わせた適切な対応を
イグニッションコイルの故障による症状は、急に自動車が加速しなくなりエンジンも振動してきます。
なので自動車の異変にはすぐ気付く事が出来ます。
また、加速しなくなるとはいえ走行は可能ですが、そのまま走行するとマフラーまで損傷してしまい、さらに高額な修理費が必要になる場合もあります。
修理のためにディーラーや工場まで運転する程度であれば問題ありませんが、交換せずに走行し続けることは避け、イグニッションコイル故障の症状が出たら放っておかずに早めの修理を心がけましょう。
ただ、イグニッションコイル修理は意外と高額になりがちです。
もし新車から10年10万キロ走行を経過するような古い自動車の場合は乗り換えも検討し、古い車については廃車も考えておきましょう。
10年10万キロを超えても長く乗り続けたいのなら、定期的なメンテナンスを徹底しましょう。
関連記事:過走行車はこまめにメンテナンス|故障を未然に防ぐチェックポイントも解説
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